2013年10月19日土曜日

【実例】 客先常駐SEは見た!! 要件定義は政治という話

最近、よくユーザー企業の要件定義に参画しています。
お金はあんまりもらっていないんだけど、まぁお客様の成功のためにはやったほうがいいのかな、と思ったので。

参加してみると、色々学ぶことになった。
問題もあったが、いろいろな方法で改善した。失敗もした。本も読んだ。いっぱい学んだ。

そして、何より、一番学んだのが、
要件定義とは社内政治がうまいとうまくいく
ということ。

うーむ、これは要求定義を研究している研究者にはわかるまい。

華やかな政治の世界へようこそ

Hello!! 政治!!

実践で学んだ一番の重要ポイントは、「システム部の政治力」ということだ。
まず、ここを押さえないと要件定義はできない。(反論もあるだろうが、ここは、あえて言い切ろう!!)

現場のみんなは気づいていないのか、あるいはあるべき姿を直視するにはあまりに残念すぎたのかわからないが、とにかく、自分が学んだことはこれだった。

逆に言うと、社内政治の生生しい世界をみることができて、大変面白い。
実際は、大変なだけなんだけど、その、大変さが逆に伸び白に見えて面白い。

例えるなら、証明に360年かかったとされるフェルマー予想、あるいはクロスワードパズル的な意味で。

ドロドロした政治の世界の中で、論理性を訴える

と、どうなるか?

答えは「ユーザーからクレームを受ける」だ。
恐ろしいことに、世の中には論理的に説明するとクレームを出すユーザーがいる。
これは本には書かれていないが、非常に大事なことだと思う。

なぜ、クレームを受けるか? 

私の数少ない経験から例をあげる。

■設問:以下の流れの中で、悪いのは誰でしょうか? (30秒以内に答えよ)
  1. ユーザーが要件定義として、業務フローや画面レイアウトを考える。システム部が資料化する。
  2. データの関連付けを考えない検討試料を提示される、俺。
  3. 俺「ぬぅ。これだとこうしないとデータの整合性があわないので、こうしたらどどうか?」とか検討して、システム部、ユーザー部に提案。
  4. 大筋は合意したので、契約準備。 契約準備中のリードタイムに詳細化を詰めることに。
  5. その中で、ユーザー部が言う「言い忘れてたけど、どういう機能は必要だよね。業務フロー見れば、予想できる範疇の話だよね」
  6. 俺、システム部「・・・(つω・`)」
    1. 業務フローって、そもそもフローもれてましたやん。
    2.  ついでに、画面案のどこにも説明ありませんがな。
    3.  それりゃ無理ってもんや。
  7.  持ち帰り検討することに。
  8. 俺「で、駄目もとで聞きますけど、追加契約するお金はあります?」
    1. システム部のお客様「わるわけないじゃんw」
    2. 俺「ですよねー」
    3. という和やかな雰囲気で、わずか5分の会話で終わる。
  9. 仕方なく、要件の優先度を再度、精査する俺。 アイデア考えるのは俺。あれ、何か、おかしいぞ・・・。
  10. 俺「こんな削減案と追加案なら帳尻あいまっせー」 システム部「それ、ええですな。ユーザー部も納得するやろ。いや、させる(反語)」
  11. で、ユーザー部と協議。 ユーザー部「そんなんあかんがな。両方やりたい」 俺「いや、そうすると工数がたりませんがな」
  12. 俺続けざまに、俺「こうすると入るけど、こうやると厳しい」。
  13. もめる。
  14. 【ユーザー部「これをこうすると、対応できるかい?」 俺「まー、ここはできれば妥協したくないので、こっちでどう?」】
    1. ※ループ
    2. ※その間のシステム部「・・・(´・ω・`)」
  15. だいたいの妥協決まる。
  16. そして、数日後、俺の上司に話が行く。 ユーザー部「あそこのPMあきまへんな。文句ばっかり言いよる」
  17. 皆に伝わる。
    1. システム部「マルオカはん、災難やったな」
    2. 俺「そうっすねー(なんか、納得いかない)」

※実際にはユーザー部はわがままっぽく、システム部は萎縮した感じで暗い感じなので、再現では関西弁を使って雰囲気を和やかにしてみた








■答え
コミュニケーション能力(特に政治力)の無い、俺。

はじめは「マジかー」と納得がいかなかった。
言い方が悪かったのか、とも思ったが、システム部に政治力が無いことは知っていたので、結構、気を使ってしゃべったんだぜ。

でも、今思うと、きっと、たぶん、そういうことだったんだと思う。
政治力を高める、あるいはわがまま(あるいは無知)なユーザーを調停する人付き合いのスキルが足りなかったのか、と。

つまり、必要なのは要件をまとめるスキルもそうだけど、それ以上にお客様(人)に対するコミュニケーション能力や政治力が大きなファクターを占めるということなのです。

ところが、政治力を高めて要件定義を乗り切るような技術指南書って、以外にないんだよねー。
これは人を見て学べということなのかなー。まだまだ先は長い。

ではまた。