2013年10月18日金曜日

【考察】「生産性の概念の欠如」なんて、客先常駐SEには対岸の火事

という感じの増田的なタイトルをつけてみた。
最近、ちきりん氏のネタを筆頭にはてなで生産性が話題になっているようなんで、相乗りで感じたことをメモりたかっただけです。
(後で見たら、長文になってしまったので、はてぶに登録してお茶の見ながら読むことをオススメします)

さて生産性についてですが、なんと「生産性が低いと儲かる」、そんな腐ったビジネススキームになっている業界があります。

それが客先常駐SEのビジネスです(ド━(゚Д゚)━ン!!)。

 客先常駐SEに生産性なんて概念は存在しない

あくまで、一例だけど、客先常駐SEの場合、お客様の指示に従って支援作業を行います。
それは、お客様が残念な指示を出した時点で、新たな仕事が生まれることを指します。ここの経緯が曲者で、残念な仕事を行うには常駐SEの対応作業が必要で、支援契約(準委任)だと、単価固定の時間で計算する契約モデルなので、残念な仕事は支援作業は、新たなお金になります。すなわち、常駐SEにとっては、残念な依頼があればあるほど、作業が増える=収入が増えるなので、(腐った=スレた)常駐SEの企業経営者はきっと生産性の悪い指示を喜ぶことでしょう。

なんて、恐ろしい業界。

もちろん、担当者レベルで考えると、残念な指示によって残業が発生する可能性はあると思います。が、それはどちらかというと、それは生産性は関係なくて、飛び込み要件に対するハンドリングスキルの問題が多いのかなぁと思ったりする。加えて、生産性を時間に対する価値とみなすと、作業に対する価格交渉をちゃんと行えば、生産性は下がらない。逆に言うと、残業が発生する=生産性が悪い、というわけではないということ。ここ重要。(いつか、それはそれでまとめる、、、はず。まぁ個人的な整理なので、反論は認める)


ユーザー企業の限界点

ユーザ企業の立場からすると、ひどい話でしょう。
この血をすわれ続けるビジネススキームは自社メンバーの残念な指示によるものが発端なので、いわば自業自得のようなもの。なので、おそらく「(自社の残念な仕事を差し置いて)なんとかできないの?」と思うのではと思います。なぜなら、自社の社員が常駐SEより性能がよかったら、常駐SEの価値はコスト削減メリット以外なくなるし。

しかしながら、ユーザー企業のシステム部員はビジネス知識は詳しいが、システム知識に乏しい。なので、現実的にはたいていの企業は常駐SEにシステム知識による貢献を期待しているのではと思う。(まぁ実際は代わりに詳しいとされるビジネス知識もどこまで詳しいかわかったもんじゃないけど。まぁアレだ。つまりは存在することに価値があるような存在?みたいな。 ま、ユーザ企業からすれば間接コストなわけで、そうなるのはある意味必然だったりするね。まぁいいや、それは余談だ)

で、書いていて思ったけど、この話って、何もSIに限った話ではなく、アウトソースする支援型ビジネススキームの業界全部に対して言えるわけで、一概に自業自得と言い切れないということ。ただし価値を提案するコンサル部隊は除く。

加えて言うと、これ、日本に限った話でもなくて、アメリカでも似たような話はある。なぜなら、某外資系のわが社の外国人向け研修の映像でも、同じような残念なユーザとの対応の仕方なんてのもあったので。あ、余談ついでに言うと、アメリカと日本の労働生産性を比較すると日本がアメリカの6割ってのがあったけど、そんなにアメリカの生産性が高いのならば、なぜアメリカは貿易赤字と財政赤字で苦しんでいるんだ? 」ということをちゃんと考えるべきです。たぶん、生産性という指標自体に難があることに気付くでしょう。

いやはや、鷹の目から見るといろいろ腐ってそうで、香ばしい香りです。

まとめると、腐った常駐SE(あるいは企業)はいつまでたっても生産性が上がらない。腐った常駐SEに捕まったユーザ企業は、非常に残念な損失を垂れ流し続け、改善の目処は立ちません。ということ。

ああ、なんということでしょう!!  ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ

 腐ったミカンは捨てればいい理論に対するポイント

結局、この問題の肝は、常駐SEの”人”に依存するところが大きいということです。同じ単価でも、生産性への概念は人単位で明らかに変わる。
つまり、腐ったミカンは捨てればいい理論は有効、ということです。
そんなことを言うと、たいていのユーザ企業は、

つまり、腐った常駐SEはさっさと切り捨てて、いい感じの常駐SEが来るようにするしかない。

・・・とでも考えるでしょうが、

そんなことをする奴は、馬鹿だ。ふはは。大事なことなので、二度言ってやる、馬鹿め、だ。

実は、それは解決になっていないです。

このパターンは実際にもユーザ企業がよくやる方法なんですが、実はそれは解法になっていないんですよね。

もちろん、解決する場合もあります。ただし、それはシステム部がしっかりしていて、かつ、常駐SEが能力的に残念だった場合に限ります。

しかしながら、実際にやったユーザ企業は振り返ってもらいたいのですが、たいていの場合は、新たに来た常駐SEも腐っていたという結果になっていませんか?

問題の本質

原因の根幹はユーザ企業のシステム部員やユーザー自体が、残念な指示を出すことではなくて、実は、常駐SEと生産性の議論を行わない、反論させない風土があるために生産性が向上しないことにあることに気付くべきです。

これこそが、生産性の欠如の根源、ユーザ企業の間接部門であるシステム部に与えるべき課題。

ちなみに、よく間違えるのが、生産性=製造コストだと勘違いして、常駐SEや一括発注するベンダーへのコストを下げる方法ばかりを考える企業がありますが、それは品質を下げているだけです。それは受注側企業の怒りを買うことになり、先に述べた、残念なSEを寄せ集める結果になります。ちゃんと、新しい投資にはお金をかける姿勢と実績を作らないと信頼関係が保たれません。
(ここも個人的な経験に基づくので、反論は認める。が、実際によく見る風景ですね。よく飲みで話して聞くのが「この現場はあかんやつや」というブラックリスト的な現場の噂)

処方箋と思われるもの

・・・って、なんかないかな、と。
いろいろ考えたんですが、結局、ユーザー企業の残念なシステム部員は適度に配置換え、あるいは捨てる(あるいは評価を下げる)ぐらいしかないということに行き着きました。

個人的な経験則ですが、腐ったユーザ企業のシステム部員は、だいたい常駐SE、あるいは一括発注のベンダーと揉めているはずです。そんな社員がいたら、さっさとどっかの山に連れて行き、別の人材を補給しましょう。(リンク先は一例)

(もっとも、技術知識があるちゃんとした人が、そのユーザ企業のSEと一緒に仕事をすれば1ヶ月以内に「こいつ、あかんやつや」とわかると思いますが、たいていのユーザ企業のSEの上司は人事権を持たないので、捨てれないと思っているはずですが。それが原因だってば。)

副作用と対策

ちなみに、これ、まじめにやるとシステム部員の大規模リストラになかねません。だって、たいていは腐っているもの。なので、人材補給先が必達ですが、安心できるいい感じの人は見つからないと思います。

そもそも、人事にSEを見る目がないことが多いので、まずはSE向けの人事から改革ですかね。
ま、SE寄りの人材の取得が必須ですが、オススメな方法は適当にベンダー系から何人かスカウトしてきて、生産性の高いメンバーの存在比率を見る。役に立ちそうであれば、同じベンダーからスカウトするのがいいかもしれません。会社の風土に依存するところは大きいですから。
技術寄りで扱いづらいと思うかもしれませんが、人当たりのよいSEはたいてい、口だけか、中身がぎゅっとしまった人かのどちらかです。

よくよく考えると、というか個人的な経験に基づく理論ですが、プログラム開発現場に近いSEであったり、技術に詳しいSEほど、生産性への概念は強いです。開発経験は聞いたほうがいいでしょう。ちなみに履歴書ではPMと書いていますが、コードも書いている人もいるので、そこは面接で聞いてみましょう(プログラムは生産性の高いコードが書けると気持ちいいもんなので、大体は生産性を意識しているはずです) 
エンジニアの探し方み~つけた。


余談
ま、どんなに生産性を上げてシステム作っても、それで売り上げが改善されなくて0円なら、価値は0。生産性はすこぶる悪くなるんですけどねー。あ、言っちゃった。

ではまた。